ミクロな視点における梶浦語の研究

世界的作曲家「梶浦由記」。その名を知らずとも、重厚にして荘厳、華美にして壮大な彼女の楽曲 (梶浦曲) を耳にしたことがある者は少なくないだろう。
なぜなら、梶浦曲はアニメーションから実写映画まで、幅広い分野においてその作品の情操的中核成分を担っているからである。これらはもはや音楽付きの映像ではなく、映像付きの音楽である。

あなたがもし、まだ梶浦曲を聞いたことがなければ、貴重な人生の時間を無駄にしないために一刻も早く Google で梶浦由記を検索すべきである。

ところで、梶浦曲の歌詞には梶浦語と呼ばれる意味を持たない造語が使われることが多い。
例えば、NHK の歴史番組「歴史秘話ヒストリア」のメインテーマ「Historia: opening theme」やアニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」の劇中曲「Credens justitiam」における歌詞がある。

camitti mia solitua
pelesse me votia
maluche mia samitua
emesse luche dota fia
tesiola

a mi soltia masentimenta i
i mi soltigo ma sola dia
solte mi kitali

Historia: opening theme – 梶浦由記

solti ola i
amaliche cantia masa
estia

e sonti tolda i
emalita cantia mia
distia

a litia dista
somelite esta dia
a ditto i della
filioche mio
solti tola

Credens justitiam – 梶浦由記

これらが一見して英語やラテン語、フランス語などの自然言語でないことは明白である。
しかし、意味を持たない梶浦語には、かなり厳密な規則が存在する。本記事では、これについてミクロな視点で詳らかにしたい。

分解

梶浦語は、音と単語、文の単位に分解できる。

例えば
{[ca][mi][tti]} {[mi][a]} {[so][li][tu][a]}
{[pe][le][sse]} {[me]} {[vo][ti][a]}

{[sol][ti]} {[o][la]} {[i]}
{[a][ma][li][che]} {[can][ti][a] [ma][sa]}
{[es][ti][a]}
のようにできる。

音は、以下のように分類できる。

V: 母音のみ
CV: 子音 + 母音
VP: 母音 + 終止
CVP: 子音 + 母音 + 終止
例えば
[ca][mi][tti] [mi][a] [so][li][tu][a]

[CV][CV][CV] [CV][V] [CV][CV][CV][V]
であり、
[sol][ti] [o][la] [i]

[CVP][CV] [V][CV][V]
である。

母音は
a, e, i, o, u
が使われる。
子音は
ch, f, h, k, l, m, n, r, s, sh, t, v, w, y
が多く使われる。
終止は
s, n, l, r
が使われる。

規則

数多くの楽曲に渡って梶浦語を分析した結果、以下の規則を発見した。

R0: 前の音が終止で終わった次の音は t, d, s を子音とする CV となる
例) [sol][ti]
R1: 単語は終止で終わらない
例) [sol][ti][as]
R2: 終止で終わる音は連続しない
例) [sol][tis]
R3: 音 V において u は使用しない
例) [u] [son][ti] [tol][da] [i]
R4: 文は u で終わらない
例) [sol][ti] [o][la] [u]

これらの簡単な規則こそが、ときに異国情緒溢れ、ときに和風な梶浦曲に唯一無二のアイデンティティを吹き込んでいるのである。
今回は、ミクロな視点における簡単な研究にとどまったが、今後はマクロな視点でより体系的に研究をすすめ、梶浦由記の作詞作曲手法の真髄に迫りたい。

他の研究者

調べてみると私の他にも研究者がおり、大変喜ばしかったので紹介する。
梶浦語要覧 | 水浦詞葉 | note

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